「アウティング」という言葉っていったい何?

数年前のことです。夏の深夜でした。繁華街にある公園で二人の男性が酔っぱらいながらも殴りあいの喧嘩をしていました。ヘロヘロになりながらの迫力のない喧嘩でしたが、その両者の怒りというのはハンパじゃなかったのです。二人とも「アウティング」という聞き慣れない言葉を発していました。「アウティングがどうのこうの……」みたいなかんじです。「うわ、なんか関わるとよくないことが起こりそうだ」と友人たちと瞬時に判断してその場は見て見ぬふりをしたわけです。

しかし、そのときの友人のひとりが、喧嘩をしていた酔っぱらいの片方と知り合うことになるという不思議な運命が訪れるのです。その知り合うというのは、二人が同僚になるという意味でした。友人は思い出したように、酔っぱらいで喧嘩をしていた男性に聞いたそうです。「そういえばさ、夏頃公園で喧嘩してなかった?」その瞬間、彼は顔色を変えて、友人の話を中断させたそうです。

そして、二人きりになれる場所に連れていって言ったそうです。「あの、あのとき公園にいたんですか?」相手の動揺具合に驚きながらも友人は答えます。「うん、そうそう。ちょうど友達と飲んでて公園で酔いを覚まそうぜってなったんだよね」彼はさらに追求してきます。「何か僕たちの会話を聞いたりしたんですか?」「あぁ、アウティングだっけ?」その単語を聞いて、彼はがっくりと膝から崩れてしまったそうです。友人はその意味がわかりません。

「えっと、どうしたの?何なのアウティングって?」観念したように彼は話しました。

「実は僕、ゲイなんですよ。それでそのことを他人にバラされることをアウティングって言いまして、そのときは好きなノンケの人の前でアウティングされてしまって、大喧嘩になって」友人は「あ、そうなんだ」としか言えなかったそうです。

しかし、そういう言葉があるんだなぁと勉強になったのも確か。今ではきちんとした「友人」として、その友人とゲイの彼は仲良くなっているそうです。